古典落語「付き馬(つきうま)」

棺【あらすじ】
 日暮れの吉原。冷やかし風の男に客引きが声を掛けると、男は金貸しの叔父さんの代参で仲之町のお茶屋に取り立てに来たのだという。茶屋で集金の後に勘定でよければ遊ぶとまことしやかな物言いで登楼した明くる朝。「仲之町の茶屋なら手前がお供します」と見世の若い衆。前夜呼込みをしていたこの男は勘定が出来ない客の取り立ても受け持つ「馬」。

 集金先の茶屋へ着いても早すぎるとごまかして大門を出ると、一風呂付き合え、腹が減ったと馬の立て替えで良い心持ちの客。雷門まで来るとさすがに馬も気づいて「どこ行くつもりなんだ、吉原の茶屋だてぇから付いてきたんだ」となる。客は「まあお待ち。田原町の叔父さんとこで勘定しよう、早桶屋なんだが。できたら立て替えの分を引いて、あとはよしなに」と馬の疑念を振り払う。店に入ると、外にいる男の兄さんが腫れの病で急に亡くなり、太ってる上に腫れで並の早桶じゃ入らないから図抜け大一番の小判型を作ってほしいと持ちかけ、自分は姿をくらました。

 「お気の毒なことで。出来たらどうします、小僧にでも行かせますか」「いえ、財布の中に入れて・・・」「おいおい、しっかっりしなくちゃ」なんといってる間に出来上がった巨大な早桶。

 代金を払うよう言われた馬は「勘定踏み倒された上にこんなもの担いで帰れるかい。あっしはもう一文なしだ」。「銭がねえだと。おい、吉原まで馬に行ってこい」