古典落語「提灯屋(ちょうちんや)」
【あらすじ】
提灯屋が開店祝いに出したちらしに、町内の若い者が飛びついた。向う七日間提灯、唐傘に無代で紋を書き、万一書けない紋があれば進呈するとあったからだ。先鋒は「紋帖なんぞ要らねえ、鍾馗様が大蛇を胴切りにした紋、書けるかな。判じ紋だ」。答えは二つに割ったうわばみの片割れに鍾馗様の剣で「剣片喰(けんかたばみ)」。「仏壇の地震」で「竜胆崩し」といった具合に俺も俺もと押しかけては難題を突きつけ、ぶら提灯をせしめて来る。お詫びの印に隠居が出向いて高張提灯を所望する。「丸に柏。難しい顔をして考えるものじゃない、ありきたりの紋ですよ」「うーむ。 ・・・分かった!すっぽんに鶏だろう」