古典落語「蕎麦の殿様(そばのとのさま)」

蕎麦道具【あらすじ】
 ご親戚で蕎麦打ちを見た殿様は、粉から長いものが出来上がる様子を見て興味を覚えた。家来に問えば皆大好物との由、「さようか、しからばその方らに蕎麦を馳走する」と殿様。自ら打つと聞いてざわめく家来衆に申し付け、蕎麦粉や道具を用意させると、殿は早速陣頭指揮を取り始めた。「粉を入れ、水を少々……ちと柔らかい、粉じゃ」水粉水と足すうちに、家来の汗やら鼻水が混じった得体の知れないものが山盛り。悪戦苦闘の末、蕎麦だか蕎麦がきだか分からないものが出来上がる。お代わりを強いられた皆の衆は、蕎麦もどきが喉元まで詰まって立ち上がれない。「一同下がって休息いたせ」で引き上げたはいいが、皆下痢に襲われ夜っぴて厠通い。御意見番が諌めて蕎麦は止んだが、今度は精進料理が攻込んで家中の災難は続いたというお噺。