古典落語「大工調べ(だいくしらべ)」

大工【あらすじ】
 「与太、道具箱はどうした」長屋を訪ねた棟梁に、与太郎は店賃を溜めたせいで大家に持っていかれたという。「いくらだ」「一両と八百」「一両あるからこれを持って謝ってこい。八百くらいあたぼうだ」。大家は不足分を持って来なければ渡さないという。棟梁は与太郎を連れて大家と掛け合いに行くが埒が開かない。「この丸太ん棒め、そんなら白州に出て黒い白いをつけてやるから」と棟梁の政五郎が願書をしたためて奉行所へ訴え出た。早速お呼び出しがあり、お白州へ。「家主、家賃のかたに道具箱を質に取ったのだな。一両持参したのに何故道具箱を渡さぬ」「足りないくせにあたぼうなどというもので」「町役に対して悪口をいったのだな。即刻残りの八百を家主に渡せ、日延べは許さぬ」

 家主は八百を受け取り、再び白州へ。「与太郎がその方の家まで道具箱を持参いたしたと申したな。その方は質株を持っているか。 質株のない者が質物を預かる時は重き刑に処するところであるが今回は許す。与太郎は親孝行者、稼ぎの妨げをした分、手当てをしてつかわせ。政五郎、大工の手間はどのくらいだ」「こいつは腕が良いんで日に十匁」「すると二十日で二百匁、金子で三両二分。家主は与太郎に与えよ。 これで一件落着。政五郎、一両と八百で三両二分とは儲かったな、さすがは棟梁」「へい、調べをご覧じろ」

ふるさと納税「ふるなび」