古典落語「ぞろぞろ(ぞろぞろ)」

髭剃り【あらすじ】
 浅草田んぼの太郎稲荷は近頃はさっぱりはやらないが、前の茶店の年寄り夫婦がかいがいしく稲荷に仕えていた。夕立のあったある日のこと。道がぬかって今まで売れたことのなかった草鞋が全部売れて「神ごとだぁ。明日はお神酒に、赤のご飯」とじいさんは喜んだ。

 「おや源さん、今の雨で草鞋は全部売れたよ」「じいさん、首を一回り捩じってみな」。一つあった。また客があり、草鞋を取るとぞろっと新しいのが出てくる。これを見た近所の髪結床の親方が「どうかあたしにも前の茶店の親父と同じ御利益を下さい」と七日の裸足参りをすると満願の日は客だらけ。「お先の方はどなた様ですか。どんどんやります」と顔をひと剃りすると後から髭がぞろり。

ふるさと納税「ふるなび」