古典落語「一眼国(いちがんこく)」

一眼国【あらすじ】
 両国に見世物小屋を持つ香具師(やし)の親方、近頃客の目が肥えて紛(まが)い物では通用しない。そこで諸国を経巡る六十六部なら珍しいものを見ているだろうからと話を聞くと、一つ目に会ったという。

 「ありがてぇ、これでお大尽だ」と親方はすぐに旅立った。教えられた通り江戸の北へおよそ百里、広い野原に榎が一本……おじさんと呼ぶ子供の声。「よっ、待ってました!」と小脇に抱えた途端、ぞろぞろぞろぞろ人が集まり「代官所へしょっぴいて行け」。現れた役人の額には目が一つ。「その方、面を上げい。目が二つ……。調べは後、見世物へ出せ」