古典落語「品川心中(しながわしんじゅう)」

宿場【あらすじ】
 品川の宿場女郎お染は寄る年波で若い子に追い越され、この頃は紋日(もんび)のやりくりもつかない。こんなことなら死のう、ただ金に詰まって死んだといわれちゃ悔しいからと心中の相手を探す。選ばれたのが芝神明前の貸本屋の金蔵。お染からの手紙に間夫(まぶ)になれるかもしれないと心躍らせてやって来たが、お染は死にたいという。

 「なにも死ななくったって。いくらありゃぁいいんだ。二十両かそれは無理だな」「いくらなら」「三両二分」「それじゃ仕方がない、一緒に死んでおくれ

 翌朝ふわふわになって帰った金蔵は家財を売って白無垢と脇差を買い込み、親分に暇ごいをして品川へ。飲み納めに食い納めをして、夜明け前に裏の桟橋まで行くと、後ろからつかれてどぶん。続こうとしたお染に「待ちな、金を頼んどいた木場の大尽が来た」と声が掛かり、お染は帰る。さて金蔵は苦し紛れに立ち上がると、海は遠浅で膝までしか水はない。

 「親分のところで顛末を話した金蔵がやせ衰えた姿になって先に上がると、後から親分が弟を連れてやって来る。金蔵が死んだと告げられたお染は「嘘だ、今来ている」という。

 部屋には布団の中に位牌があり、金蔵はいない。騒ぐお染に髪を切れと脅すと、ぷっつりと切る。これに五両を添え「これで浮かんでくれるかね」。「浮かぶとも、金蔵浮かべ」「へい」と踊って金蔵が出る。「よくも騙したね」「お前があまり客を釣るから、魚籠(びく)(比丘)にした」