古典落語「山号寺号(さんごうじごう)」
【あらすじ】
「おや旦那どちらへ」町内をぶらついていた太鼓持ちの一八が声を掛けると「成田山へ恵方参りだ」。「ほう新勝寺へ」「いや成田山」
「ご存じのくせに、成田山が新勝寺、東叡山寛永寺、金龍山浅草寺」。山号寺号はどこにでもあるという一八に、近くにあるなら挙げてみろと旦那、祝儀に釣られて「按摩さん揉み療治(りょうじ)。漬物屋さん金山寺、おかみさん拭き掃除。餅屋さん道明寺・・・」と目につくそばから言い立てる。
旦那は「随分出たね、今度はあたしの番だ。お前にやった祝儀、 全部お出し。こうして懐へ入れて、 尻を端折って、一目散隋徳寺(ずいとくじ)!」と逃げていく。してやられた一八は「南無三仕損じ!」