古典落語「三十石(さんじっこく)」

舟【あらすじ】
 江戸の二人連れが京都見物をして大坂へ下ろうと伏見へ来る。三十石の夜船は寝ている間に大坂に着く便利な乗合船。船待ちの宿では、人れ込みの二階で宿帳を付ける番頭相手に「俺たちは江戸だ。 浅草花川戸、幡隋院長兵衛(ばんずいいんちょうべえ)」だの「愚僧は播磨国書写山、武蔵坊弁慶」だのと名乗るうち飯が出て、やがて「船が出るぞー」という声。

 皆が寝静まった頃「酒食らわんか、餅食らわんか」と小舟が寄って来る。「この野郎、食らわんかとは何だ。ぽか」「何すんねん」「気に入らねえ奴がいたら、ぽかっといくのが江戸の習わしだ」。

 江戸っ子が舟を追い払うと「あの、ここへ座らして。わいの隣の人、首がない「ははぁ、ろくろっ首だ。あんたはうまい味を長く楽しめる」「その代り、薬を飲んだ時は長く苦い」