古典落語「三年目(さんねんめ)」

幽霊【あらすじ】
 夫婦になって二年と経たずに恋女房が患い、ご亭主は懸命に看病する。臨終の床でおかみさんは、早く楽になりたいが後添えにもきっと優しくするかと思うと死にきれないという。

 「ならば婚礼の晩に幽霊になって出ておいで、たいていの嫁は里へ帰る。待ってるから」「では八つの鐘を合図に、きっとよ」。ほどなく親戚筋から話があって断り切れずに後妻を迎えたが、婚礼の晩は気もそぞろ。いくら待っても、出ない。ずーっと出ない。やがて子も生まれ、先妻の法事をしようかという三年目。墓参りから帰った晩、夜中にふと目を覚ますと枕元に黒髪を乱した幽霊が座っている。「今頃出て来て恨み言をいわれても困る」「出るに出られなかったの。死んだとき、ご親戚の皆さんであたしを坊さんにしたでしょ。ですから毛が伸びるのを待ってました」

 

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