古典落語「三方一両損(さんぽういちりょうぞん)」

小判【あらすじ】
 左官の金太郎が三両入った財布を拾い、落とし主の大工吉五郎に届けた。大工は意地を張って受け取らないばかりか喧嘩になって左官を殴った。

 大家の仲裁で収まったかに見えたが、左官の大家は激高し「俺が願書をしたためてやるから訴え出ろ」と大事になる。

 両者の言い分を聞いた大岡越前守は「吉五郎、さる日、柳原で財布を落とし、届けた金太郎を打擲(ちょうちゃく)に及んだか」。「金を持って行かないと殴るぞっていうと、殴れるものなら殴れって」

 「ではこの金は両人ともいらぬな。では一両添て正直の褒美に二両ずつ渡すがどうじゃ。吉五郎も金太郎も三両が二両になり一両損をした。奉行も一両出して三方一両損。これこれ、膳部を取らせる」「おっ、炊きたての飯だ」「両人の者、食し過ぎるな」「たんとは食わねぇ、たった越前」