古典落語「盃の殿様(さかずきのとのさま)」

盃【あらすじ】
 気欝症になった殿様が行列を仕立て吉原へ冷やかしに行った。茶屋で花魁(おいらん)の道中を眺めていた殿様は扇屋右衛門の抱え花扇(はなおうぎ)を気に入り、供を連れて扇屋に揚がった。吉原通いをするうち、一年お国詰めということになる。千亀千鶴の大盃で別れの酒を酌み交わし、お国に帰るが花扇のことが忘れられない殿様。そこで気のきいた家来が、韋駄天(いだてん)の足軽早見東作に盃を担がせて「えっさぁさぁ」と吉原へ送り出す。花扇は店の端まで出てきて七合入りの盃を飲み干し、殿様にご返杯。

 帰り道箱根で大名行列の供先(ともさき)を切り、急ぐわけを聞かれ、ことの次第を話す。行列の大名は「大名の遊びはかようでなくてはならん、余もあやかりたい」と山の中で酒盛り。 少々遅れて国元に着いて殿様に斯様なことでと申し上げると、ではもう一献というので東作さん、またえっさぁさーと駆け出した。