古典落語「樟脳玉(しょうのうだま)」

お雛様【あらすじ】
 かみさんに先立たれて虚ろな日々を送る捻兵衛から金と着物を巻き上げようと考えた八五郎。よからぬ相談をした八公と兄貴は、夜になると樟脳玉に火をつけて、捻兵衛の家の引窓(ひきまど)からおろして振り回した。

 翌日弟分は何食わぬ顔でお悔やみに行くと「家内はまだ浮かんではいません。昨日家内の魂が出ました」と捻兵衛。「気が残った着物をお寺へ納めるといい。あたしが納めてきてあげますよ」と風呂敷包みを背負って八公は兄貴の家に。

 金を取り忘れたので、翌日同じ問答をすると、金は葬式で使い果たして、後は御雛様ばかりという。捻兵衛は「家内が気を残していたのはこの御雛様です。今蓋を開けたら魂の匂いがしました」。