古典落語「松竹梅(しょうちくばい)」
【あらすじ】
「同じお店に出入りする職人衆の松さん、竹さん、梅さん。お店から来た手紙を隠居に読んでもらうと、お嬢さんが婿を取ることになり、今夜婚礼があるという。隠居は帰る戻る切れるなど、祝いの場の忌み言葉を教え、めでたい名前の三人に相応しい余興をやるよう勧めた。
「成った、成った、じゃに成った。当家の婿殿じゃに成った」「何のじゃに成られた」「長者に成られた」という文句を謡曲の節で松さんから順に唱え、「おめでとうございます。お開きにいたしましょう」と締めくくるだけなのだが、梅さんがどうもいけない。稽古中から大蛇に成ったり番茶に成ったりで、本番ではついに亡者に成ってしまう。
隠居に報告すると「亡者」はいけないね。梅さんはどうした」「座敷の隅で萎(しお)れ込んじゃった」「心配ない、今時分一人で開いているだろう」