古典落語「将軍の屁(しょうぐんのへ)」

将軍【あらすじ】
 「屁をひって可笑しくもなし独り者」。川柳にいくらでもある有象無象の放屁と違って、天下人の一発は嵐を呼びかねない。所は江戸城の大広間、御三家を筆頭に二百六十余名の大名が綺羅、星のごとく居並ぶ総登城のおめでたい日のこと。

 正面の御簾が上がり、静々とお出ましになった将軍が、座ろうとした弾みに大きい奴をぶー。すぐ近くにいた水戸公は思わず鼻を押さえて「草木もなびく君の御威勢」。尾州公は「武運長久」。紀州公が「天下太平」と続く。いずれも見事な洒落に諸大名は両手をついて「へぇへぇ、ヘー」。