古典落語「将棋の殿様(しょうぎのとのさま)」
【あらすじ】
「殿、金銀を飛び越えて参るのはまことに迷惑」「ならばその金銀は目障り、取り片付けい。余の飛車が成り込んで王手、どうじゃな。その方は弱いな」。将棋好きな殿様は家来相手に連日無体の限りを尽くしている。
上達のためと称して負けた者の頭を鉄扇で打つと言い出し、近習は皆こぶだらけになる。これが御意見番の三太夫の耳に入り、「本日はこの爺めがお相手いたす」と仇討ちに乗り出した。
いつもと勝手が違い、殿は「お取り払い」も「お飛び越し」もさせてもらえず、「策もない馬鹿大将」といわれる始末。「ではお約束通りおつむりをどうぞ。やぁー」「笑っていないで将棋盤を片付けよ。いや焼いてしまえ。将棋を指す者は切腹じゃ」