古典落語「紀州(きしゅう)」

鍛冶屋【あらすじ】
 七代将軍が幼くして他界し、八代に納まろうかという尾州公。城へ上がる当日、駕籠に乗って屋敷の門を出た。道すがら鍛冶屋の前を通ると「とぉ
ん」と親方が槌を入れる音。すかさず弟子が「てんかぁん」。とんてんかん、とんてんかん。尾州公にはてんかぁとぉる、天下取ると聞こえた。

 城へ着くと大久保加賀守が進み出て、任官を促す辞を述べる。再び乞われたら受ける魂胆で辞退すると、加賀守はすっと下がって紀州公の前へ。紀州公は受諾。

 帰りも鍛冶屋は「天下取る、天下取る……」。鍛冶屋をひょいと覗くと真っ赤に焼けた鉄を水の中へずぶりと突っ込む。「きしゅうぅ」