古典落語「死神(しにがみ)」

死神【あらすじ】
 金の工面に困った男が首をくくって死のうとすると、白髪の痩せた老人が「俺は死神だ。助けてやるから医者になれ、そうすりゃ金に困らない」。

 「病人の枕元に死神がいたら寿命はない。足元なら「あじゃらかもくれんてけれっつのぱ」といえば死神が消えるという。医者の看板を出すと日本橋の大店から使いが来て、行ってみると死神は足元。呪文のお蔭で大繁盛するが、京大坂で豪遊してすっからかん。医者稼業に戻ると麹町の大店から迎えが来たが死神は枕元。一万両出すといわれて死神が居眠りをしているすきに布団を回し、呪文を唱えると死神が消えた。

 帰ると死神に蝋燭の並ぶ穴蔵へ連れて行かれ、「おまえの命はこれだ」という。

 今にも消えそうな蠟燭は、病人と入れ替わった男の寿命そのもの。「心中者の燃えさしに火を移せ。移せばおまえの寿命は延びる」。消えるぞ、消えるぞとおどされ、手が震えて火は消えた。