古典落語「出来心(できごころ)」

泥棒【あらすじ】
 どじばかり踏んでいる新米の泥棒が足を洗えと引導を渡されるが、なんとか頼み込んで空巣狙いのいろはを教えてもらって仕事に出た。

 頃合いの留守宅がないまま、貧乏長屋の路地に入り込むと不用心な一軒がある。留守には違いないが獲物が一切見当たらず、諦めた矢先に主の八五郎が帰って来た。足跡から察知した八公は大声で大家を呼び「店賃四つ分、泥棒にやられちまった。少し待ってもらいてえ」。「そうか。で、あとは何盗られた。布団か、裏はどんな」。布団から出始まり黒紋付に博多帯、帷子(かたびら)、箪笥の果てまで「裏は花色木綿」で押し切る八五郎に「勘弁できねえ、紋付がどこにある、箪笥に裏地だとぉ馬鹿野郎」。縁の下にいた泥棒が怒って悪事が露見。未遂とはいえ親分の教え通り「出来心で」と謝る。「八公どこ行った、出て来い。どうしてお前は作り事をいうんだ」「大家さん、これも出来心で」