古典落語「道具屋(どうぐや)」

道具屋【あらすじ】
 「与太郎がおじさんに呼ばれた。おじさんは大家の傍ら副業にしている商売をそっくり譲るという。「道具屋にもピンキリがあってな、おじさんのはキリ。仲間内じゃごみなんてえことをいう」

 「なるほどごみだ。お雛様、首が抜けた。おまけに鼻が欠けてらあ。真っ赤んなった鋸もある」「ここに元帳があるから持って行きな。儲けはやるから好きな物食って構わねえ」

 おじさんの道具屋は天道干し。荷を担いで蔵前に着くと「お前仲間か、どっから来た」「神田三河町の本兵衛んとこから来た与太郎さんだ」。

 話に聞いてるアレがこいつだとすぐ呑込んだご同業は店の出し方をこまごまと与太郎に教えた。

 「出したての道具屋でござい、道具屋のあったかいの」「変な道具屋が出てんな。その鋸見せろ」「数の子? 筍? 鋸か。ギリを欠いちゃいけません」「こりゃ焼きがなまくらだな」「生なんてことありません、焼き場で拾ったんだから。あ、行っちゃった」

 「今のは小便だ。冷やかしを小便てんだ」と符牒を教えるお仲間。車屋さんが来て「その股引ちょいと見せねえか」「断っときますが、小便は出来ません」「出来ないじゃしょうがねえ」と去り行く車屋に、小便違いを叫んでも後の祭り。

 今度はやけに武張った男が来て「そこの短刀を見せんか。なんだ、錆付いて抜けんな」「抜けませんよ、木刀ですから」「すぐ抜けるのはないか」「お雛様の首の抜けるのがあります」