古典落語「傾城瀬川(けいせいせがわ)」
【あらすじ】
下総屋の若旦那善次郎は学問一筋の堅物。旦那に頼まれた番頭の久兵衛が太鼓持ちの華山に遊びの指南を頼むと、華山は儒者というふれ込みでやって来て花を活けろとすすめる。
しばらくして吉原に連れ出し、揚屋町(あげやちょう)の五蝶(ごちょう)という太鼓持ちの家へ。座敷には毛氈(もうせん)が敷いてあり、花器が置かれている。そこへ御歳十八、松葉屋の瀬川という花魁が来て、見事にえぞ菊を活けて帰って行った。瀬川に惚れ込んだ若旦那は半年と経たずに八百両という大金を使い果たし、勘当されてしまう。元奉公人の忠蔵にやっかいになり、一月ほど経つと瀬川宛の手紙を書いて五蝶の所へ持って行かせた。花魁は忠蔵に蕎麦でもと五両を渡し、手紙を託す。それには雨の晩に廓を抜けて主の所へ行くとある。長煩いだった親父さんに詫びを入れると勘当も許され、五蝶の手筈で瀬川の身の代金(みのしろきん)も払った。
惚れ合った二人は一緒になり、末永く添えとげたという。