古典落語「蔵前駕籠(くらまえかご)」

駕籠【あらすじ】
 泰平の世がにわかに騒がしくなった頃、どさくさに紛れて吉原行きの遊客を狙った追剥ぎが出没。吉原への通り道、蔵前は危ないが、それを承知で酔狂な男が現れた。暮れ六つを過ぎると駕籠は出さないという駕籠屋に「出たら逃げちゃっていい。駕籠賃は倍払う。酒手は一分っつでどうだ」。

 駕籠屋と酒手を前払いした客は、そっくり着物を脱いで支度を済ませ乗り込んだ。しばらく行くと、やって来たのは覆面に黒尽くめの一団。「われわれは由緒あって徳川家へお味方する浪士の一隊。軍用金に事欠いておる、身ぐるみ脱いで置いて参れ」駕籠の垂れを上げると、裸の男が腕組をして睨み付ける。「もう済んだか」

 

ふるさと納税「ふるなび」