古典落語「佃祭(つくだまつり)」

梨【あらすじ】
 佃祭に出掛けた小間物屋の次郎兵衛は、しまい船に乗ろうとした矢先に袂をつかまれた。

 「もし、旦那様。あたくしに見覚えがありませんか。三年前、本所の橋から身を投げようとした女に、三両の金を恵んで下さった旦那様では」

 船に乗り損なった次郎兵衛が佃島の船頭に嫁いでいたこの婦人の家に行くと亭主が戻って、しまい船が沈んで一人も助からなかったという。次郎兵衛の家では船が沈んだという知らせにともかく仮通夜をする。すると夜明けと同時に「おや、誰が死んだんです」と次郎兵衛さんが帰って来て、人助けのお陰で助かった話をする。

 これを見ていた与太郎が三両の金を工面して身投げを探し始めた。永代橋でやっと見つけた女にむしゃぶりつくと「身投げじゃないんだ。歯が痛いから戸隱様に願掛けてるんだよ」「嘘をつけ、それが証拠に袂にこんなに石がある」「石じゃない、納める梨だよ」