古典落語「王子の狐(おうじのきつね)」

稲荷神社・狐【あらすじ】
 ある男が初午(はつうま)を忘れ、翌日王子の稲荷様にお参りに出かける。近くまで来ると、狐が一匹、頭に草を載せてくるりと回ると、きれいな女に。狐とわかって「お玉ちゃん、こんにちは。せっかく会ったんだから、どこかへご一緒したいねえ」と扇屋へ上がる。

 床の間の方へ弧を座らせ、自分は廊下近くに陣取る。しばらく見ないうちにきれいになったの、みんなは変わりはないかのと色々話しかけると、狐の方でも適当¥に話を合わせ、天ぷらを誂えて酒になる。酒をさんざん動めて、狐が頭が痛いといい出すと、そこへお休みと寝かしてしまう。勘定は家内がするからといって男は帰る。

 「家は宿屋じゃないんだから二階のお客を起こしてきな」。女中が起こすと「あら、つい寝てしまって、連れはどうしましたか」「お連れさんは先に帰りました。お勘定はあなたから頂くようにと」

 驚いた狐、耳がにょきっとのび、尾がだらりと出て正体を現す。番頭は旦那の留守に狐の夫婦に食い逃げはたまらないと体棒を持って狐退治。大騒ぎの最中に帰った旦那は「とんでもないことをしてくれた。お詫びに行ってこよう」とお稲荷様へ。

 男が友達にこの話をすると、祟りがあるというのでその日の夜お土産を持って狐の穴を探しに行く。子狐に詫びをいって、おっかさんによろしくと帰る。「おっかさん、昨日の人間が謝りに来て、ぼた餅をお土産にくれたよ」
 「食べちゃだめよ、馬の糞だといけない」

ふるさと納税「ふるなび」