古典落語「お見立て(おみたて)」

墓石【あらすじ】
 「因りますよ喜瀬川(きせがわ)花魁、少しは杢兵衛(もくべい)旦那のとこへ顔を出してもらわないと」「面倒だから患ってるといっとくれ、なんなら花魁は死にましたって」。身勝手な花魁にいつも手を焼いている若い衆の喜助は杢兵衛に「お寂しいことで……花魁は実は焦がれ死にをなさいました」と告げると「寺はどこだ」。

 喜瀬川に伝えると「山谷に連れてって、新しそうな墓を見繕って誤摩化せばいい。うまくやっとくれ」と一向に動じない。線香の一把、花の一本も手向けたいからすく案内しろと急かされて、喜助は渋々山谷方面へ向かう。

 頃合いの禅寺を見つけて墓を物色する喜助。「えかく偉そうな戒名でねえか。はて、天保八年」「お隣と間違えました」「行年二歳、安政二年。大地震の年だべ。馬鹿野郎、あれの墓はどれだ」

 「ずらっと並んでおりますので、どうぞお見立てを願います」

ふるさと納税「ふるなび」