古典落語「転失気(てんしき)」

おなら【あらすじ】
 ある寺の和尚が医者を呼んだところ、帰り際に「お住持、転失気はおありか」と聞かれた。無いと答えたが調べても分からないので「珍念や、お向かいの花屋へ行っててんしきを一つ借りて来なさい」と小僧に命じた。

 「二つあったが一つは床の間に置いといたら客が褒めるからくれてやった。あとは味噌汁に入れて食べた」という花屋の言葉を告げると、薬を貰いがてら医者に聞けという。医者は「転失気というのは放屁のこと、おならじゃよ。気を転び失う、転失気と書く」。花屋も和尚も知らないと気づいた珍念は「お盃だそうです」。

 「盃か。天の下に口を書いて呑、酒に器で呑酒器。なるほど」と和尚は明くる日往に来た医者に盃を披露する。「これは見事な盃で」「粗末な呑酒器で」「医学の方では放屁、おならを転失気と申しますが、寺方では盃ですか」「あ、いや先生、あまりこれを重ねると周りからぶーぶーが出ます」

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