古典落語「三味線栗毛(しゃみせんくりげ)」

馬【あらすじ】
 酒井雅楽頭家の次男坊角三郎は当主に疎まれ、 下屋敷で家中同然の部屋住(へやずみ)暮らし。書見が過ぎたある夜、肩が張ると中間の吉兵衛が按摩を連れてきた。「手前錦木と申します。お引き立てを願います」。小咄が上手で通い出したある晩、錦木は人には町人なら大分限者、武家なら大名になる骨組があって、角三郎はまさにその骨組だという。

 「万に一つ、なれたらその方を検校にしてつかわす」。それからしばらく風邪で休んでいるうちに、錦木は角三郎が大名になったと伝え聞いて、酒井雅楽頭様に会うべく大手の上屋敷に出掛けた。

 「よう参った錦木。余が部屋住の折申したこと、当たったな。武士に二言はない、吉兵衛、あれを検校にしてつかわせ」。栗毛の馬を求めた雅楽頭は、ご意見番に出世した吉兵衛に「名は三味線。余は雅楽(うた)じゃ、唄が乗るから三味線」「では家来どもが乗りましたら」「その方らが乗ると罰(撥〔ばち〕)が当たる」

 

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