古典落語「子別れ(こわかれ)」

子供【あらすじ】
 大工の熊五郎は吉原の近くであった弔いの帰りに紙屑屋の長公と出会い、二人で吉原へ繰り込んだ。熊五郎は居続けをして四日目に家に帰ると女郎とののろけ話しを延々とやって大喧嘩。女房は子供の亀吉を連れて出て行き、離縁状を書かされて別れてしまう。吉原の女も長くはいない、そのうち勝手に出て行った。

 真面目に働いてお店(たな)の信用も戻ったある日、出入りのお店の番頭と木場まで行く途中のこと。

 「熊さん、亀ちゃんていったかね、可愛い子だった。いくつだい」「あれから三年。十……一」

 「おや、噂をすれば影。会ってやんな。あたしは先に木場へ行っているから」

 「おい亀、この近所か。新しいおとっつぁんは優しくしてくれるか」「おとっつぁんはお前だけだよ」「そうか。これな、小遣いにやろう」「わぁこんなに」「おっかぁにいうんじゃないぞ。明日な、この鰻屋に来い、食わせてやる」

 「おっかぁ、ただいま」「駄目だよ、まっすぐ帰って来なくちゃ。なんだいこのお銭は。いわないならいい、これで殴るよ。おとっつぁんからもらってきた玄翁(げんのう)だ」

 「おとっつぁんにもらった。明日、鰻を食べさせてくれるって」

 明くる日。「上がっといでよおっかさん。呼んでおあげよおとっつぁん。仲人はくたぶれる」「お前もそういうなら、もう一度やろう。子は鎹(かすがい)だ」「それで昨日、玄翁でぶとうとした」