古典落語「蛙茶番(かわずちゃばん)」

青大将【あらすじ】
 芝居の好きな大店(おおだな)の主が町内の者を呼んで素人芝居をすることになった。出し物は『天竺(てんじく)徳兵衛』。籤(くじ)で役決めをしたが、面白くないという奴が出た。

 蛙役の伊勢屋の若旦那が来ないので番頭は「定吉、お小遣いをやるから蛙になれ。もう一人来てないね、舞台番の建具屋の半公か。定や、呼んできておくれ」。

 半公は舞台番なんぞやれないとごねているというので番頭が知恵を授け、定吉は再び半公のもとへ。「小間物屋のみいちゃんに半さんは舞台番だっていったら、さすが半さんだわ、さぞいなせな舞台番になるだろう。半さんを見たいから行くわって。みいちゃんが先行って待ってる」

 「みい坊がか、そう聞いちゃ行くよ」。湯屋へ行ってよく磨き、緋縮緬(ひぢりめん)の大幅をふんどしにするつもりが、肝心なものを忘れた。

 お店に着くと舞台は進んでいる。そこへ半公がしゃしゃり出て、辺りを見回したが、みいちゃんの姿はない。それでもせっかくの趣向を見せびらかそうと、くるっと尻をまくって「おい、静かにしなくちゃぁいけねぇ、騒ぐんじゃねぇ」。

 「おい誰だい。舞台番が一人で騒いでいる。おや、とんでもない趣向だ。見て御覧、実物を出している」

 「これ定吉、出るのだよ」「駄目です、あそこで青大将がにらんでいます」