古典落語「茶金(ちゃきん)」

茶碗【あらすじ】
 清水の境内の茶店で名の知れた目利きの茶屋金兵衛、茶金がしきりに茶碗を眺め回し、首を六度傾げた。江戸を食い詰めて京都で油を売る八五郎がこれを見て茶店の親父に掛け合い、金三両と油の荷七両分で茶碗を手に入れた。 茶金の店を訪れた八五郎に番頭は「これは清水焼の数茶碗(かずじゃわん)といって、さらで六文、古くては一文の値打ちもない」。「番頭なんかにゃわからない」と騒いでいると奥から茶金当人が出て来た。「おう、この茶碗に見覚えはないかね。七日前、清水の音羽の滝の前で陽に透かしてみたりして、首をしきりに傾けていた・・・ 」「これはどこにも傷がないのに水が漏るので不思議に思ったのだ」といい、茶金は有り金をはたいた八五郎に再び仕事に就けるよう十両を貸した。 そうこうしている内に茶金が近衛殿下のお茶席に呼ばれ、この話をすると麿も見たいとおおせられて、御覧に入れると御色紙を書いて下さる。しばらくして、おそれおおくも畏き方からの御短冊と箱書きがついて評判になる。

 「これを好事家の会に出したところ、千両で売れる。油屋に十両では可哀相だと考えていると、近所を通りかかった油屋を小僧が見つけて連れてくる。茶金からこの話を聞き、三百両をもらった油屋は「今度は十万両の大もうけだ」。ひょいと見ると大きな水の漏る瓶を車に乗せて、持って来た。